子供の怒りや否定的な感情に向き合う方法 – 共感と適切な表現を教えることが大切
子育ての中で、子供が怒ったり泣き叫んだりする場面に遭遇すると、親はどう対応すればよいか困ってしまうことがあります。
特に2歳前後になるとイヤイヤ期に入り、感情が爆発します。その時、多くの親は「泣かないで!」「やめなさい!」と言ってしまいがちですが、これでは子供の感情を抑え込むだけで、根本的な解決にはなりません。むしろ長い目で見ると、感情への対処能力が身につかずに大きな問題に発展してしまう恐れがあります。
本記事では、子供の怒りや否定的な感情に上手く向き合う方法について解説します。
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子供の怒りや否定的な感情に適切に向き合うための3ステップ
ステップ1 否定的な感情を認識する
まず最初に、子供の感じている怒りや悲しみなどの感情に気づき、受け入れることが大切です。親から見れば「理不尽」に見える行動でも、それは子供なりの感情の表現方法です。
人間の感情発達段階を見ると、最初には肯定的な感情、否定的な感情、次にはさらに細かく喜び、悲しみ、楽しみ、怒り、恐怖などのグループに分化され、さらに発展すると幸せ、ワクワク、楽しい、誇らしい、困惑する、恥ずかしいなど、細胞分裂のように非常に細分化されます。
しかし、実際に子供がこれらのさまざまな感情を認識するまでにはかなりの時間がかかるということです。 感情が発達し、感情を認識した後、感情を調整してうまく表現する必要がありますが、私たちの子供たちはまだ初期の発達段階を経験している段階です。
したがって、イヤイヤ期の子供に対しての親の対応としては、「怒っているみたいだね」「悲しそうだね」と子供の気持ちを言葉で共感することです。泣き叫びの外面的な行動だけでなく、内面の感情そのものに寄り添うメッセージを送るのです。
人間の感情発達には段階があり、次のような過程を経て発達していきます。
基本的な感情の発達(生後数カ月~1歳頃)
- 快・不快の感情が分化する
- 喜び、悲しみ、怒りなどの基本的な感情が現れる
感情の認識(1~3歳頃)
- 自分の感じている感情に気づき始める
- 「怒った」「悲しい」など感情を言語化できるようになる
- まだ感情のコントロールは難しい
感情の調節(3~5歳頃)
- 感情を表出するタイミングや方法を学ぶ
- 状況に応じて感情を抑えられるようになる
- しかし完全なコントロールは難しい
自己意識の発達(5~7歳頃)
- 自分の感情を客観視できるようになる
- 複雑な感情(羞恥心、嫉妬など)が分かるように
他者の気持ちの理解(6歳以降)
- 他者の感情を推測し、共感できるようになる
- 自分の行動が相手にどう映るかを考えられる
感情コントロールの向上(8歳以降)
- 落ち着いて感情を整理できるようになる
- 適切な表出方法が分かり、強い感情をコントロールできる
ステップ2 適切な表現方法を導く
感情の認識が進めば、次は上手に表現する方法を教える段階に入ります。怒りや悲しみを感じた時には、暴れたり泣き叫んだりするよりも適切な対処行動があることを伝えましょう。
例えば、
・悲しい時は母親に抱きつく
・怒った時は深呼吸をして冷静になる
・イライラしたら一旦部屋を離れて気分転換する
など、感情への正しい向き合い方をモデルとして見せていきます。その際、子供の気持ちに共感しつつ、感情を認識させた上で新しい対処法を提示するのがコツです。
親の言葉と行動を通して、子供は感情への上手な向き合い方を自然と身につけられます。怒鳴ったり暴れたりする前に、親が代替案を提示してあげることが大切なのです。
ステップ3 他者への気付きを促す
感情の表出方法が上手くいけば、最後に他者への気づきや共感力を促す段階に入ります。これは概ね6歳を過ぎた頃から可能になってきます。
例えば、子供が物を投げて壁を壊してしまったら、「お友達が泣いちゃうよ」「お父さんお母さん心配するよ」など、他者の気持ちを考えさせるメッセージを伝えましょう。
自分の行動が周りにどんな影響を及ぼすのかに気づくことで、子供は状況に応じた適切な感情の持ち方や表現の仕方を身につけられます。他者の立場に立って考える力が、感情コントロールの基礎になるのです。
最後に、親自身の感情コントロールも大切なファクターです。親がいつも冷静で子供の手本となれば、子供の感情教育はより効果的に行えるはずです。
まとめ
子供の感情の爆発に戸惑う経験は誰にでもあることでしょう。でも、上手に寄り添い、感情を認めながら適切な表現方法を教えていけば、いつかは子供なりの感情処理ができるようになります。子供はそのプロセスから大切なことを学んでいきます。一時の辛抱は、いずれ子供の人格形成や社会性の基盤となるはずです。